ミニ・シンポジウム
&ワクワク体験ツアー

スケジュール
[1日目]
ミニシンポジウム

・ご挨拶
・[自然の家] 概要
・基調講演
・提案1
・提案2
・提案3
[2日目]
ワクワク体験ツアー

・自然観察会
・[自然の家]
 プログラム体験


神戸市立森林植物園 三宅 慎也氏

私が摩耶山を含めた六甲山の植物調査に7年間、延べ256日を費やし、作成した1万点にも及ぶ標本が牧野標本庫、東京大学、頌栄短期大学、人と自然の博物館、森林植物園などに保管されています。その調査において、特に苦心したのは、六甲は、とにかく広いということ、そして人との距離も近く、手垢がたくさんついており、その植物が自生か、人によって持ち込まれたのかの判別が難しかったこと。また、摩耶山においては、見た目より山が険しく、崖から落ちやすかったことです。

私がこれだけ調査をしているにもかかわらず、摩耶山で採集されたという記録があるのに、未だに出会えない植物として「シロバナイナモリソウ」と「タニジャコウソウ」があります。タニジャコウソウが栽培すると非常に強いのにそれが消えてきた理由に、摩耶山の木が順調に育っていること(タニジャコウソウは日陰を嫌う)と、雨水に流されてしまった可能性が考えられます。

摩耶山で1879年(明治12年)に採集された採集者不明の植物標本があります。1904年牧野富太郎氏が率いる摩耶山調査チームによって採集され命名された植物「マヤラン」です。その標本は、東京大学にあるのですが、私は摩耶山では、まだ見たことがありません。本で見ると愛らしく、咲いていればすぐに分かりそうですが、現地では無葉ランであるため突然地面から花だけが伸び、また、その色も姿も落ち葉と同化してしまい、識別するのは難しいのです。実際、西播磨地区で30本ほどの群生を見つけた時も、同行者に「ここにある」と言っているにも関わらず、見つけられにくかった。そんな植物です。
なお、摩耶山を特徴づける植物には、この他にも「ホソバコンギク(マヤサンコンギク)」や「ミヤマヨメナ」があります。

このように根底として、昔から今に至るまでの時間軸を踏まえて、このまちの植物を考えねば都市の発展はないのではないかと思います。都市に暮らす者として植物を理解することは、とても大切なことではないでしょうか。